オンライン説明会 質疑応答 既卒ブース

今回は、昨年行われたオンライン説明会の既卒ブースで出た質問と回答を紹介します。「しく○り先生」とまではいかなくとも、大学受験に一度失敗した人たちならではのアツい話で盛り上がったようです。とくに、参考書のオススメ合戦は見物です。


Q1. 共通テスト(旧センター試験)に向けて何をしていたか。

・(予備校の)テキストの復習。

・苦手分野の補強。

・参考書を完璧に(数学の場合は解き方がいくつも思い浮かぶなど)。

・共通テストに苦手意識がなければ直前まで二次試験の対策をしても良いかも。

・判定に一喜一憂しない。

・理科や社会が伸びるから直前までそれらの科目を伸ばすよう頑張る。

・共通テストに特化しすぎても良くない(共通テストから二次試験に生かせる部分を探し出したりするなど、二次を意識する)。


Q2. 浪人する前提で受験勉強するのはダメか。

・浪人を前提にするにしても理科や社会をしっかり伸ばしておいた方がいい(予備校の通常授業を受けながら苦手を補強するのは少し難しい)。直前でD・E判定をとっても現役の伸びは凄いので諦めないで。一年目で受からないつもりで受験してしまうと得られるものが少なくなってしまう。浪人を前提にしたとしても現役では伸ばせるところまで本気で頑張る。(→それが浪人につながる)。

・行きたい学科や研究室があるのであれば入ってからのことを意識してモチベーションを上げてみる。

・現役で60〜70点差で落ちたとしても浪人して受かることはある。

・浪人は高校と大学のあいだの期間で、実はかなり自分の時間があったりする。空き時間に好きな分野の本を読むなど見識を広めて良いかも。つまり、やりたいことが本当に自分に向いているかなどを考え直しても良い。それによって進路が変わったり、入学してからの意識が上がったりする。)


Q3. 進振りについて。

・超人気な学科で底点が80点(上位三割)~85点(上位一割)くらい。80点あれば大体の学科に行ける。75点くらいなら部活をやっていても取れる。


Q4. 工学部機械情報工学科について。

・機械情報工学科(通称:機械B)は、理科1類以外だと進学できる枠はほぼないので行きたい場合は理科1類に入るべき。駒場の前期課程で取らなければいけない授業は通常ない。また、第一段階での必要点数は大体80点ほど。ただ近年人気が上がっているようなので、必要な点数が上がるかもしれない。


Q5. 数学について、おすすめの参考書や勉強法はあるか。

・(理系)『入試数学への掌握』(エール出版社)シリーズは難しいけど解説がしっかりしているので東大を目指すのであればやっておくといい。数学が得意な人がやるもの(60点はコンスタントに取れて、かつ90点を狙っていける)。(*1)

・(理系)『チャート式 基礎からの数学』(数研出版)シリーズ(いわゆる青チャ)や、

『1対1演習』(東京出版)シリーズで40点くらいまであげる。

・(理系)『新スタンダード演習』(東京出版)でとにかく多くの問題を解く。

(→60点周辺くらいまで上げて、かつ解法が複数浮かぶようになった。)

・(文理共通)『Focus Gold』(啓林館)で網羅的にこなす。

・(文理共通)『ハイレベル数学1A2Bの完全攻略』(駿台文庫):問題数は44問くらいだけどこれを完璧にする。参考書を一個やり遂げたという自信がつく。

・(理系)『上級問題精講』(旺文社)

・(理系)『最高難度の理系数学』(代々木ライブラリー)

・(理系)『大学への数学』(東京出版)の解答は自然には思いつきにくいものが多い?一問一問に時間をかけて解く、すぐ答えを見ない。

・(文理共通)章割り(「三角関数」「ベクトル」など)されている参考書ばかり解いていると、初見の問題に対応する力がつかないから、色々な分野の問題が混ざっている状態で解く練習をするため過去問を年度ごとに解く。『論理と集合で解く 高校数学総合演習60』(文芸社)はマイナーだがおもしろい。

・個人的には赤本(旺文社)の解説よりも駿台の青本や鉄緑会のものがオススメ。

・参考書は中古がよく出回っているのでブックオフなどで買うと良い。

・『総合的研究 論理学で学ぶ数学:思考ツールとしてのロジック』(旺文社)


Q6. 英語はどのぐらいのレベルから速く長文が読めるようになったか。

・予備校のテキスト・参考書を完璧にする。

・東大は色んな問題形式(要約、段落整序、和訳、条件英作文など)があるのでそれらを分野ごとにやってから過去問を解く。

・リスニングは環境に左右されるので普段から対策しておく。東大のリスニングはセンターのほど音質もよくないし、読む人も若干クセが強い。

・共通テストの文章をスラスラ読めるようになるには『ターゲット1900』(旺文社)くらいの語彙が欲しい。でもこれだけでは東大の問題をすらすら読むのは難しい。

・早く読めるようになるためには毎日英文に触れたり、単語をしっかり身につけたりする。また、読むときに緩急をつけると良い(余分なところは読み飛ばすなど)。

・Speaking以外の3技能(*2)でどこが苦手かをまず把握する。

・東大の文章は難しいので部分部分を捉えて問題を解けば良いかも。

・何が何を表しているかを意識しながら解く。冠詞や代名詞もおざなりにせず読むと段落整序などには役立つし、読みも深まる。こういうコンセプトの参考書が『ヘミングウェイで学ぶ英文法』(アルク)シリーズ。

・リスニング教材としては、BBCの6 Minute EnglishやNHKの実践ビジネス英語がオススメ。


Q7. 受験期の勉強と今でどちらが大変か。

受験時派

・受験はプレッシャーがあるのでしんどいけど、大学では勉強と部活を両立できるなど充実感がある。

・受験期はコンスタントに勉強しなければならないので少ししんどい。

大学派

・受験時は受験時で楽しい思い出がある。大学では読む量が増えるし、ふだんの取り組みを評価するのはプロの学者。アルバイトの大学生が採点する模試とはわけが違う。その上自分で考えて学ばなければならないので大変。一方、受験期は模試や講習などペースメーカーがある。


【注】

*1「数学の配点」:東京大学の二次試験では、科目全体における数学の配点は文理により異なります。文系は80点、理系は120点がそれぞれ満点となります。

*2「3技能」:言語の運用能力をReading(読む), Writing(書く), Listening(聞く), Speaking(話す)の「四技能」に分類する考え方があります。

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